2018年度の税制改正においては、事業承継税制が抜本的に拡充されたほか、新規設備投資の固定資産税が3年間最大ゼロとなる特例が創設されるなど、中小企業の企業活動を幅広く支援する税制が措置されている。中小企業庁では、改正の概要や措置の内容、適用要件等について、中小企業・小規模事業者向けに分かりやすく解説したパンフレットを作成し、このほど公表した。ぜひ活用したい。

 まず、事業承継の際の贈与税・相続税の負担を軽減する「事業承継税制」は、今後10年間(2018年1月1日から2027年12月31日)に限って大きく拡充された。主な変更点は、(1)対象株式数の上限を撤廃(2/3→3/3)し、猶予割合を100%に拡大することで、承継時の贈与税・相続税の現金負担をゼロにする、(2)親族外を含む複数の株主から、代表者である後継者(最大3人)への承継も対象にする。

 さらに、(3)制度利用を躊躇する要因となっている雇用要件(事業承継後5年間平均で、雇用の8割を維持)を抜本的に見直すことにより、雇用維持要件を満たせなかった場合でも納税猶予を継続可能にする、(4) 売却額や廃業時の評価額を基に納税額を再計算し、事業承継時の株価を基に計算された納税額との差額を減免することで、経営環境の変化による将来の不安を軽減する。

 次に、生産性向上特別措置法案の制定を前提に、設備投資に係る固定資産税の特例が創設される。要件は、商品の生産若しくは販売又は役務の提供の用に供する設備であって、生産性向上に資する指標が旧モデル比で年平均1%以上向上する設備への投資で、導入により労働生産性が3%以上向上するもの。市区町村の判断により、生産性向上につながる新規設備投資の固定資産税が3年間最大ゼロになる。

 また、賃上げを頑張る企業を支援する所得拡大促進税制の延長・拡充がある。前年度からの主な変更点は、適用要件が、基準年度(2012年度)の給与総額と比べて、適用年度において一定割合増加が廃止され、平均給与等支給額前年度以上が「継続雇用者給与等支給額が前年度比1.5%以上増加」に変更。税額控除は、基準年度からの給与総額の増加額の10%(一部22%)から、前年度からの給与総額の増加額の15%又は 25%とされた。

 中企庁のパンフレットは↓
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2018/180330zeiseikaisei.pdf