消費税率が現行の8%から10%に引き上げられる2019年10月まで1年半を切った。消費税率が2%引き上げられると家計への負担増が懸念されるところだが、日本銀行がさきごろ公表した「経済・物価情勢の展望(2018年4月)」によると、消費税率10%への引上げによる一般家計への負担増は、1997年度・2014年度における過去2回の引上げ時よりも低く抑えられ、前回に比べると4分の1程度にとどまるとの試算を示している。

 試算は、消費税の負担増に加え、今後の税制改正や社会保障費等の影響も加味して算出したもの。消費税率3%から5%への増税時(負担増5.2兆円)には、所得減税の打ち切りや医療費の自己負担増加という大幅な追加負担もあり、8.5兆円の負担増となった。また、5%から8%への増税時(同8.2兆円)には、給付措置などの負担軽減策が講じられたものの、その効果は年金関連の負担増によって減じられ、負担増は8兆円だった。

 これに対して今回は、消費税率2%引上げによる直接的な負担増は5.6兆円だが、軽減税率で1兆円、教育無償化で1.4兆円、年金生活者支援給付金等で5000億円、年金額改定で6000億円の負担軽減が予定されている。支援給付金等は、年金生活者支援給付金に加えて、低所得者の介護保険料の軽減、雇用保険料率の引下げ(3年間の時限措置)の終了に伴う負担増などもネットして算出したものという。

 また、増税のタイミングがこれまでの4月から10月となるため、駆込み需要とその反動が、2020年度では成長率の下押しとなるものの、2019年度内では均されるほか、実質所得の減少効果も両年度で分散して発生するという技術的な要因等も加えると、3.4兆円軽減されると見込まれる。この結果、家計の負担増は、差し引き2.2兆円となり、前回2014年度の消費税率引上げ時に比べて4分の1程度にとどまると推測している。

 「経済・物価情勢の展望(2018年4月)」は↓
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1804b.pdf