三菱UFJリサーチ&コンサルティングがこのほど発表した「2018年度新入社員の意識調査」結果(有効回答数1409人)によると、新入社員が会社に対して臨むことは、「人間関係がよい」が最も高く、次いで「自分の能力の発揮・向上ができる」となった。この2項目の順位は、同調査を開始した2004年度以降、毎年変わっていない。3位は男女で異なり、男性では「給料が増える」、女性では「残業がない・休日が増える」だった。

 過去の推移をみると、「自分の能力の発揮・向上ができる」を1位から3位までのいずれかに選択した人の割合は、2012年度をピークに低下基調が続いており、今年度は初めて55%を下回った。逆に「残業がない・休日が増える」は2012年度から上昇傾向が続いている。一方、「給料が増える」も今年は選択比率が高まり、企業が積極的に長時間労働是正に取り組むなか、新入社員の間では、同時に給料アップを望む傾向がみられた。

 出世意欲については、今年度も「出世しなくても好きな仕事を楽しくしたい」(52.1%)が「出世したい」(47.9%)を上回った。給料増加に関心のある人は増えているが、働き方についての意識に大きな変化はなく、出世して所得を増やしたいという発想につながっているわけではないようだ。どの位の役職まで出世したいかでは、50.9%が「役職にはこだわらない」、具体的な回答では「役員」(18.5%)が最多など、昨年と同様の傾向だった。

 昇給に関しては、多くの新入社員が「やったらやっただけ給料を上げてほしい」(79.3%)と回答。こう回答した社員の中には、競争意欲が強くなくとも、能力や成果に対する公平な評価を望むという意味で選択した人もいるとみられる。新卒一括採用や終身雇用といった、旧来の雇用慣行とは異なる形での雇用が増える中で、新入社員であっても、成果や能力は正当に評価してほしいと感じている人が増えている可能性がある。

 残業に対する考え方は、「残業が多くても給料が増えるのだからよい」との選択割合が41.3%に対し、「給料が増えなくても残業はないほうがよい」が58.7%と、残業に対して否定的な見方を持つ人の割合は昨年から上昇しており、プライベートな時間も大切にしたいという新入社員は引き続き多い。ワーク・ライフ・バランスを重視するような意識は、政府や企業が進めようとしている「働き方改革」の方向性とも一致しているといえる。

 同調査結果の詳細は↓
http://www.murc.jp/thinktank/economy/analysis/research/report_180510.pdf