東京商工リサーチが12日に発表した「上場企業『継続企業の前提に関する注記』調査」結果によると、2018年3月期決算を発表した上場企業2423社のうち、決算短信で「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン注記)」(GC注記)を記載した上場企業は17社だったことが分かった。2017年9月中間決算(21社)より4社減少し、2017年3月期(23社)より6社減少した。

 また、事業継続に重要な疑義を生じさせる事象がある場合に記載する「継続企業に関する重要事象」は36社で、2017年9月中間決算(39社)より3社減少。GC注記と重要事象が記載された企業数の合計は、リーマン・ショック直後の2009年3月期に過去最多の145社を記録後は減少をたどった。2015年3月期に6年ぶりに増加に転じ、以降は一進一退で推移しているが、2018年3月期は調査開始以来、最少の53社に落ち着いた。

 GC注記・重要事象の記載企業53社を理由別に分類すると、44社と全体の8割強(83.0%)が重要・継続的な売上減、損失計上、営業キャッシュ・フローのマイナスなど「本業不振」を理由としている。次いで、大幅赤字などで金融機関との融資契約に付随する「財務制限条項に抵触」が9社(構成比16.9%)、「債務超過」、「再建計画遂行中・その他」、「資金繰り・調達難」がそれぞれ4社(同7.5%)と続く。

 売上・損益の悪化など本業で苦戦が続く企業が圧倒的に多い。財務制限条項に抵触した9社の多くは、期限利益の喪失に該当しないよう金融機関の了解・合意の取り付けを表明している。また、債務超過(単体のみも含む)は4社だったが、債務超過は1年内に解消できなければ原則上場廃止となるため、業績回復による利益確保、あるいは資本増強策などの早急な対応策が求められている。

 GC注記・重要事象の記載企業53社の業種別は、「製造業」が25社(構成比47.1%)で半数を占めた。製造業は中堅規模で、大手の下請けメーカーなどを中心としている。上場市場別で、最多は東証1部の17社(同32.0%)で3割を占めた。一方、JASDAQ、マザーズ、名証セントレックスの新興市場は25社(同47.1%)で、全体の半数を占めた。新興市場は売上が小規模で、事業基盤がぜい弱なベンチャー企業が多いのが特徴だった。

 同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180612_02.html